約束のない日曜日
午前7時、ん?、今日は日曜か
きのう遅くまでミステリーを読んでいたのでまだ眠いけど
まだ眠れる
「眠れる」から「眠る」までの短い時間が
カーテンの隙間からへなへな零れる白い光に
象徴されてる
なぜなら、平日の朝はこんなの見てる余裕ないから
ぼくは多分もうじき寝直してしまって
次に起きる時にはきっと10時を過ぎてしまっている
へーんだ、今日は一日中布団をかぶっていたってかまわない
約束のない日曜日
それがぼくにとってのいつもの日曜日
たまたま誰かに会わなきゃいけない用事があったりすると
重しが胸に乗っかっているような気がして二度寝もままならなくなる
約束のない日曜日のスクリーンを
ぼくは
いつぞや砧公園を散歩中に出くわした、一輪車を練習中の少女のように
よたよたっと横切る
顔を覚えられなかったあの時のおさげの少女の顔が
約束のない日曜日を横切っていった幾つものぼくの顔と重なる
顔のない顔が
一輪車の上に乗っかって
歪んだ弧を空中に描くように
いつか起きて、いつか食べて、いつかテレビ見て、いつか眠って
「幸福とは、こんなサイクルの繰り返しのことでも、あるぞよ」
今、ぼくの口はよたよたっと囁き
ぼくは、囁いた口ごと
午前7時の窓から零れる白いへなへなした光に巻かれて
一輪車の練習のため、砧公園まで運ばれていく…ん…だろう…ね
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