軌跡の姿
口を開けたまま眠ってしまうという恥ずかしい癖がある タオルを枕に巻いて寝ることにしてるんだけど それでもシーツに涎の染みを残してしまうことがあって えーっと…今ぼくの目の前に広がっていたりするんだ 触るとちょっとぬるぬるして いかにも生き物の体液なんだなーって感じ 眠っている状態のぼくが 頭を乗せた枕の高さを負担に感じて 逃げようともがいた軌跡の姿 ぼくの知らない、ぼくの 逃走本能? 手足のない薄黒いヒトのように ぼくの知らない、ぼくの軌跡が 悠々とシーツの上で寝そべって 出勤しなければならないぼくを「いってらしゃい」なんて見送ろうとするから そうはさせないよ! ウェットティッシュでごしごしやって 生き物の感触を拭い取る うん、これで大丈夫 コーヒー一杯飲んで落ち着こう それでも 湯を沸かしに台所へ歩き出したぼくの背後で 何かがぼくを真似 ぴたぴた追いかけてくるような気がするんだ
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